バドミントンのラケットは各メーカーからたくさん出ています。例えばヨネックスなら現在30本以上の販売。他のメーカーを合わせると100本以上に。こんなにたくさんの中から自分に合ったラケットをどう選んでよいのか、わかりませんよね。
でも、バドミントンはラケットの選び方で、上達速度に違いが出ます。特に小学生は自分に合わないラケットを使うと、正しいフォームが身につかなかったり、ケガをする恐れも。
この記事では、初心者で小学生(ジュニア)のラケットの選び方を中心に、中学生、高校生、社会人についても書いていきます。
年齢によって、筋力や体格が違うので選び方も変わり、私自身、娘に間違ったラケットを与えて、失敗した苦い経験があります。
その経験を生かして、どのように「ラケットを選んだらよいのか」をお伝えします。
バドミントン ラケットの選び方
初心者のバドミントン ラケットを選ぶときは5つのチェックポイントがあります。
- 重量
- シャフトの硬さ
- 重心
- グリップサイズ
- 値段
では、順番に説明します。
ラケットの重量
2U | 3U | 4U | 5U |
約92g | 約88g | 約83g | 約78g |
重い | やや重め | 普通 | 軽い |
ラケットの重さは、重いもので92g。軽いもので78gです。ラケットの個体によってプラスマイナス2gほど違います。だから表には「約」と書いています。
重いラケットのメリットです。同じスイングスピードでスマッシュを打つと、伸びがあり威力があるショットが打てます。デメリットはドライブの打ち合いなどラリー展開が速い時に操作性が悪くなること。
逆に軽いラケットは、スマッシュの威力が落ちます。しかし軽さを活かしてテンポの速いドライブなどが打ちやすいです。
初心者は2Uを選んではダメ。パワーのある人ほど重いラケットを使いたいもの。特に男子は力があるため、腕でラケットを振ろうしてしまう。そうすると体全体で打つ正しいフォームが身につきません。
2Uは中級者以上が使う。なぜなら、正しいフォームからラケットの重みを利用した振り方できるからです。重いラケットを最大限利用できるわけです。
しかしながら、現在では全国大会に出るような上級者でも4Uを使うことが多いです。なので初心者は無理せず3~5Uを使うのが良いでしょう。
シャフトの硬さ
柔らかい | 普通 | 硬い |
しなる | 標準 | しならない |
ラケットを振るときにシャフトが「しなる」と柔らかい。あまり「しならない」と硬い。その中間が普通になります。この3種類があることを覚えましょう。
初心者はシャトルを遠くに飛ばせません。なぜならスイングスピードが遅いから。シャフトが柔らかいと、スイングが遅くても少ない力で「しなり」を利用してシャトルが遠くに飛んでくれます。
また、柔らかい方がシャトルを打つタイミングが取りやすいです。逆に硬いと早めにスイングしなくてはいけないから、タイミングが取りづらく難易度が高くなります。
初めは硬いものは選んではダメ。タイミングよくヒットすると気持ちいいショットができますが、少しでもタイミングを外すとシャトルが飛びませんから。
ラケットの重心
①ヘッドヘビー(トップヘビー) ラケットのフレーム側(左側)に重心がある。振ると重く感じる。メリットはヘッドが重いため、スマッシュを打つときにパワーが乗せやすい
②イーブン 重心はちょうど真ん中。ヘッドヘビーとヘッドライトの弱点を補う。ラケットバランスがいいので、オールラウンダーでコントロールを大切にする選手におすすめ。
③ヘッドライト(トップライト) グリップ側に重心がある。振ると軽く感じる。メリットはレシーブがしやすい。相手のスマッシュが速くても打点に素早くラケットを持っていけるから。
例え重量が同じでも、重心が違えば振った感覚が全然違います。例えば3Uヘッドライトのラケットを振ると、まるで4Uかのごとく軽く振れます。
逆に、4Uでヘッドヘビーだと3Uに感じるくらい重い。私の感覚では5~10gほどの違いがあります。
グリップサイズ
G4 | G5 | G6 |
太め | 標準 | 細め |
ラケットを見ると「4UG5」などの表記があります。G5と書かれているのがグリップサイズです。最近はほとんどが「G5」ばかり。
もし迷ったら初心者はG5かG6を選んでください。なぜなら太くするのはグリップテープを1枚余分に巻けば太さは調整できるので。
G4を選んだ場合、「もっと細くしたいなあ」と思っても簡単ではありません。それは元グリップを剥がさないといけなくなるから。
参考:バドミントンの元グリップの剥がし方とメリット・デメリット
あきらかに手が大きい人は、G4の太いグリップを選んでも大丈夫。持ちやすいのでパワーが伝わりやすくスマッシュが打ちやすいです。
値段
初心者のラケットの場合、8000~12000円を目安に選びます。
このあたりから、素材がカーボンです。カーボンは軽くよく「しなる」し、シャトルが飛びます。
注意点
3000円程度のラケットは、買ってはダメ。フレームの素材がアルミ、スチールで作られています。
バドミントンが上手くなりたいなら、「重い」、「しならない」この理由から、おすすめできません。
また、15000~25000円の高級ラケットも購入しないように。この価格帯はほぼ中~上級者向けに作られています。
違いはシャフトが硬い・・・。使いこなすには、スイングスピードがある程度必要です。
ラケットの選び方 小学生(ジュニア)編(初心者)
初心者の小学生(ジュニア)は大きく二通りに分けられます。1~6年生と高学年です。高学年になると成長が速い子はかなりの力がついてきます。その場合はパワーのある高学年を参考にしてください。
では順番に説明します。
小学1~6年生(初心者)
選び方 | 小学1~6年生 |
重量 | 4U |
シャフトの硬さ | 柔らかい |
重心 | ヘッドライト |
グリップサイズ | G5 |
おすすめは4UG5のラケット。小学生の場合、ラケットが重いとダメ。無理やり振るので、間違ったフォームのクセがついたり、練習ですぐに腕が疲れてしまいます。
シャフトは柔らかいを選びましょう。最初はパワーがないので「しなり」でシャトルを遠くまで飛ばしたいからです。間違っても硬いものはダメ、全然シャトルが飛ばないので子どもは、バドミントンの楽しさが味わえないですよ。
ラケットの重心はヘッドライト、グリップの太さは細いものを選びましょう!太いと手が小さい小学生は力いっぱいグリップを握ってしまいます。正しいグリップの握り方を身につけるために必ず細いものです。
もしグリップが細すぎたと思ったときでも、後からグリップテープを2枚巻くことで調整できます。太いグリップのラケットは、調整できませんから。
パワーのある高学年(初心者)
選び方 | パワーのある高学年 |
重量 | 4U |
シャフトの硬さ | 標準or柔らかい |
重心 | イーブンorヘッドライト |
グリップサイズ | G5 |
小学生高学年(男のみ、女子は除く)でパワーがあるなら「シャフトの硬さが標準」で「重心イーブン」のラケットでもかまいません。しかし背伸びをして、自分に合っていないラケットを選ぶとケガの原因になりますから要注意。
どちらのラケットにするか判断するのは、実際にシャトルを打たないと難しいです。でもシャトルが落ちてくる前にラケットを速く振ってしまって空振りするなら軽いラケットは避けましょう。
また本人がヘッドライトのラケットは軽すぎると言うのなら、重心イーブンが良いですね。
私も、最初の子の時に失敗しました。「市のスポーツクラブに行きたい」と言ったので、何も考えずに重いラケット(93g)を買い与えました。練習時間が2時間。帰宅したら「腕が痛い」と言い出しました。
当時は子どもは小学校の3年生、おすすめしている「4U」との重さの差はわずか10グラムしか違いません。しかし、バドミントンはその10グラムの違いでかなり重く感じます。
ラケットのデザイン
小学生の場合、デザインもかなり重要です。自分の気に入ったデザインなら、機嫌良く練習してくれます。私の子どもは、デザインが気に入らないと、ラケットに触ろうともしませんでした。
「これが振りやすいよ」と、厳選して与えたラケットも、使ってくれませんでしたから・・・。
5つのチェックポイントで選んだ後、最終的にデザインも気に入っているのか、子どもに確認してくださいね。
無駄な買い物にならないように・・・
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ラケットの選び方 中学生編(初心者)
中学生になると体が急激に大きくなり、パワーもついてきます。合わないラケットを使ってはせっかくの力を上手く伝えられず、パワーロスが出てきます。自分に合ったものを選んで早く上達しましょう。
また、中学生のラケット選びは単純ではありません。なぜなら成長期だからです。男子と女子の違いが出てくるし、成長が速いのか?遅いのか?でパワーが全然変わってきてしまう。ここでは下のように区分しました。
- 力が弱い男子、女子
- 力が普通男子、
- 力が強い男子
では順番に説明します。
力が弱い男子、女子
選び方 |
1、力が弱い男子、女子 |
重量 | 4U |
シャフトの硬さ | 柔らかい |
重心 | ヘッドライト |
グリップサイズ | G5 |
力がまだついていないなら、軽く柔らかいラケットを選ぶべきです。実は選び方は小学生と一緒になります。もし微調整するのならシャフトの硬さを標準、重心をイーブンにするくらい。
基本女子は軽めのラケットがおすすめ。小学生と同じものを使いましょう。たとえ力の強い女子も初心者なら重いものは使わない。無理に使うと怪我の恐れがあります。
力が普通男子、力強い男子
選び方 |
2、力が普通男子 |
3、力強い男子 |
重量 | 4U | 3U |
シャフトの硬さ | 標準 | 標準or硬い |
重心 | イーブン | イーブンorヘッドヘビー |
グリップサイズ | G5 | G5 |
力があるなら、硬さが標準で重心がイーブンを選んでください。グリップサイズは調整可能なのでG5を買えば間違いないです。
3の力が強い男子はスマッシュをガンガン打ちたいでしょうから、表を参考にして攻撃力を挙げましょう。
ラケットの選び方 高校生、社会人編(初心者)
高校生なると体ができあがってきて、パワーは社会人とほとんど変わりません。なので高校生と社会人は同じ区分とします。
- 力が普通、高校生と社会人
- 力が強い、高校生と社会人
- 女子、女性
では説明していきます。
男子高校生 社会人
選び方 |
1、力が普通 |
2、力が強い |
重量 | 4U | 3U |
シャフトの硬さ | 標準 | 標準or硬い |
重心 | イーブン | イーブンorヘッドヘビー |
グリップサイズ | G5 |
G5 |
高校生社会人でも初心者は中学生と同じです。例え力が人一倍あったとしても一流選手が使うような重く硬いラケットは使ってはいけません。正しいフォームやスイングに合った筋力があるから使いこなせるのです。
ただし男子高校生、社会人男性は、ラケットを振ることに慣れるのが速いので、初めて購入するときは高価なものでなく、軽すぎず重過ぎないものを検討するのが良いでしょう。
高校生女子 社会人女性
選び方 | 女子 女性 |
重量 | 4U |
シャフトの硬さ | 柔らかい |
重心 | ヘッドライト |
グリップサイズ | G5 |
女子は基本的に小学生、中学生、高校生、社会人ともに同じです。4U、柔らかい、ヘッドライト、G5。中級者以上になれば、男性が使うものを選んでも良いですが初心者は選んではいけません。
正しいフォームが身につき、バドミントン歴も半年以上で軽いラケットが物足りないなら、その時に重めも検討しましょう。