バドミントンのロブ(ロビングは)非常に重要なショットです。ロブが打てないと安定して勝てない、大雑把な選手になってしまいます。
ロブの打ち方を説明するので、しっかり覚えて練習してください。スマッシュなどの派手でカッコ良いショットに隠れがちな「ロブ」ですが、
ロンドンオリンピック女子ダブルス銀メダリストの藤井瑞希さんも、「ロブの質で世界と戦えるかどうか」と言うほど重要なショット。
きちんと身につければ、初心者同士の試合で負けづらくなり、安定して勝てるようになりますよ。
バドミントン ロブの打ち方
ロブの動画 8分18秒~8分25秒までご覧ください。
バドミントンのロブ(ロビング)とは、ネット前に落ちてくるシャトルを、下から上に打ち上げて、相手コートの一番奥まで返球するショット。アンダーハンドストロークの一つになります。
アンダーハンドストロークとは>>>アンダーハンドストロークの打ち方
ロブはクリアの次に初心者にとって必ず覚えたいショット。スマッシュに目が行きがちだが、初心者が試合に勝つためにはミスしないことが大事。
そして対戦相手に「ミスさせるようなロブ」を打つことが重要なのです。
バドミントンのロブの種類は3つあります。
- ロブ 一般的になロブで高くコート奥まで打ちます。
- 中間ロブ ダブルスで前衛に、ギリギリ触れられないよう打つロブ。
- アタッキングロブ 低い弾道を打ち、相手に低い打点で打たせてチャンスを作ります。
1番は守備的なロブで、2番3番は攻撃的なロブになります。
初心者は1番の高くて相手コート奥まで打つロブを覚えることが重要。
2.中間ロブと3.アタッキングロブは初心者は覚えない。
2番3番は攻撃的なロブで高低差を利用して、相手をかく乱させたり、リズムを崩せます。上手く打てればチャンスですが、難易度が高いし、初心者が使うと逆にピンチになることが非常に多い。
しかも、基本である高く打ち上げるロブをおろそかにすると、中級者になる前に壁にぶち当たって、上達しません。
初心者は必ず1番の「高く打ち上げるロブ」を身につけましょう。
残り2つのロブは後日記載します。
ロブの打ち方【バックハンド】
ロブはまずバックハンドの打ち方を身につけましょう。なぜならバックハンドの方が守備範囲が広いし、フォアハンドに比べて打ちやすいから。実はフォアハンドの方が難しいのです(理由はフォアハンドの所で書きます)。
バックハンドのロブのポイントは3つ。
- 下半身を安定させる
- 親指と人差し指で持つ
- 肘から先で打つ
1、下半身を安定させる
初心者のほとんどが腕の振りだけに注目してしまう。一番大切なのはショットを打つ土台である下半身の安定です。
下半身がしっかり踏ん張れると、腕がしっかりと振り切れて、高いロブが打てるようになります。
次の動画で39秒~56秒を確認しましょう。
低い姿勢をしっかり作りましょう(ランジの姿勢)。そして「ラケットを持った側の足」をしっかり踏み込んでロブを打ちます。(右利きなら右足、左利きなら左足)
打つ前に両足は床から離れない。足が床から離れてるなら力が伝わらないので注意。
動画はしっかりと下半身を使ってロブを打っているのが分かります。打つ前に下半身を意識してください。
2、親指と人差し指で持つ
動画の1分36秒~2分33秒を確認してください。
親指で押し出すように打ちます。しっかりと親指と人差し指でラケットを持ってください。
振るときに親指に力を入れながら、打ってください。
3、肘から先で打つ
動画の3分28秒~4分10秒をご覧ください。
肘から先で打つようにします。動画を見てもらうとラケットを振り回さなくても飛んでいるのが分かります。クリアのようにコート奥から打つのならば振り回す気持ちはわかります。
しかしロブはコートの半分ちょっとくらい飛ばすショット。肘から打つだけで十分に飛んでくれます。
また肩から動かすように打たない。肩から打つことで力が入っているように思うかもしれませんが間違いです。肘から「シュッと」スイングすることでスイングスピードが上がり楽にロブを打てます。
また肩から打つロブは、肩が痛めやすくなるし、良いことはまったくありません。
フォアハンドのロブの3つのポイント
バドミントンのフォアハンドのロブのポイントは3つ
- ラケットの持ち方
- 肘をのばす
- 脇をしめる
下半身を安定させるのはバックハンドで書いたので、ここでは書いてませんが同じく非常に重要ですよ。
1、ラケットの持ち方
動画の1分14秒~1分41秒までをご覧ください。
ラケットの持ち方は、親指と人差し指には力は入れずにラケットを支える程度にします。
中指、薬指、小指でしっかりとラケットを持ってまっすぐ振ります。この3本の指でしっかりラケットを支えないと、ラケットがグラグラしてシャトルの飛ぶ方向が安定しません。
2、肘を伸ばす
動画の2分25秒~3分20秒をご覧ください。
肘が伸び切る寸前のところで、打つとロブは飛びます。逆に肘が伸び切ってないところで打ってしまうと力が入らずに飛びません。
動画を見てもらうと、かなり前で打っていることがわかります。初心者はシャトルに近づきすぎて、ラケットが上手く振れずに、飛ばないケースが多いです。
自分が思っているよりも、打点を前にすることを意識しましょう。
3、脇をしめる
動画の4分40秒~5分26秒をご覧ください。
脇が空いてしまうと、肩でロブを振ってしまいがち。脇を締めながら肘先でロブが打てるように意識してください。
また脇を締めることで、ロブを打つコースが安定します。脇があいているとラケットを振り出す軌道にバラツキがでる。そのため毎回シャトルが飛ぶ場所がかわってしまう。
自分が狙ったコースに打てないと、アウトになったり相手を崩せませんから、試合に勝てなくなります。
ロブでバックハンドよりフォアハンドの方が難しい理由。
ロブはフォアハンドの方が、バックハンドより難しいです。肩が比較的自由に動かせて可動域が広いため。
良いように聞こえるかもしれませんが、可動域が狭いバックハンドの方が、可動域が狭い分、いつも同じスイングがやりやすいので、その結果打ちやすいのです。
私も初心者のころフォアハンドでとれる球を無理やりバックハンドで取っていた思い出があります。うまく面に当てられないし、高さを出すのも難しい。
フォアハンドが難しく感じるなら、初心者はまずバックハンドを覚えてください。フォアハンドロブは慌てずにゆっくり身につけていきましょう。
ロブを打つ時の注意点
動画の6分15秒~7分10秒をご覧ください。
ラケットを後ろから出さない。大振りしないことがロブを飛ばすためには重要です。
後ろにラケットを振りかぶりすぎると、逆にスイングスピードが落ちてロブは飛びません。
トップ選手などの動画で、ロブが大振りに見えるのはフォロースルーが大きいから。(フォロースルーとは、シャトルを打ったあとに、腕を最後まで振り切る動作のこと)
ロブを打つまでは、小さい振りで、フォロースルーをしっかり大きく取るとロブは飛んでくれます。
そしてもう一つは、いつも同じ場所にロブを打つです。試合で勝つためには相手に良いショットを打たないようにしたい。いつも高くコート奥まで打てれば初心者同士では負けません。
練習から同じ場所に打てるように意識を高めましょう。
練習方法
動画の9分9秒~20秒をご覧ください。
パートナーにドロップを打ってもらい、何度もロブを打ちましょう。正しい打ち方を身につけるには反復練習が一番です。
よくある初心者の間違いは、その場から移動せずにロブの練習をしてしまう。ロブを打った後に2~3歩下がって打ってください。
下がらないで打つと、下半身を使わずに手の力だけで打ってしまうダメな癖がついてしまいます。
後ろから移動しながら打つことで、重心移動を覚えるし、少ない力でロブが飛ぶ感覚が身についてきます。
一人で練習するには、素振りです。肩を使わずに肘先から打つ。その時にラケットのスイングスピードが速いかどうかを意識して振りましょう。
ロブの打ち方【まとめ】
初心者が覚えるべきロブは、高くて相手コート奥まで飛ばすロブでしたね。
ロブを打つにはまずは下半身をしっかり使うことが大事。その後に腕の振りを意識しましょう。
まずはバックハンドから覚えてください。フォアハンドは難しいので。
基礎打ちで何度も練習してください。2~3歩下がってから、打つことで力加減も身についてきます。
ロブを覚えると初心者同士の試合で、相手が勝手にミスしてくれたり、甘くてこちらのチャンスになる球を打ってくれます。
しっかりとロブをマスターしてくださいね。