「シングルスでは、スマッシュレシーブができないと格好の餌食になる!」
シングルスでは1人でコートをカバーするため、レシーブが狙い通りのところに返球しないと、チャンスの球が上がってきません。相手の良い体勢で取らせてしまうため、ずっと攻められっぱなしになるから。
コート中を走り回され体力は削られる、そして最後にスマッシュを打たれて得点を決められてしまう。
シングルスはダブルスとは違った狙いどころや考え方が必要。返球するスピードや高さを変えなければなりません。特に社会人から始めた人は「ダブルスしか経験がない」方が大半です。
例えば野球とソフトボールのように、似ているけど別の競技と捉えた方が上達が速くなります。
シングルスでスマッシュレシーブする上達法
シングルスはコートを1人でお互い守るため、守備範囲が広い。そのため相手に強烈なスマッシュを打たれたとしても、フワッと空いているスペースに落としておけば大丈夫。まずは空いているスペースに返球しましょう。
特にダブルスしかやったことがない人は、「そんなところに打ったらやられる」という返球が有効になるので、レシーブ感覚が異なります。シングルス独特の考え方を身につけることが重要。
それでは上達する手順を解説します。
- 空いているスペースを探す
- ラケットに当てる
- ストレートに返球
- クロスに返球
- ロング返球 奥まで返す
空いているスペースを探す
まずはネット前にレシーブすることが基本。そして、空いているところを狙います。相手の正面に返球すると、万全の態勢でスマッシュやドロップを打たれて決めれれてしまうから。
たとえ決められなくても、ラリー展開が不利になります。相手を動かしながら甘い返球が来るのを待ちます。
ラケットに当てる
基本はネット前に返球だとお伝えしました。ネット前に返すだけならラケットを振らずに当てるだけでも返球できる。ここがダブルスのレシーブと大きく違うところです。ダブルスだと前衛がいるので勢いのない返球をすると「バコーーーーン」と強烈なプッシュを打たれます。
しかし、相手が一人だと強打はありません。返球の球足が伸びてコート中盤まで飛んでしまったらスマッシュを打たれるので注意。またよっぽど格上でフットワークの速い相手でない限り大丈夫。安心して返球してください。
この動画で参考にしてほしいのはネット前に返す時。ラケットをあまり振っていないところに注目。当てるだけで返球できます。
ストレートに返球
ストレートに返球とは相手のスマッシュなどのショットに対して、相手の正面に返すことです。ラケットに当ててまっすぐに返すことを最初に取り組みます。ストレートが返せたら、次に紹介するクロス返球もさらに効果を発揮します。
しっかりシャトルを見ながら返せるように練習しましょう。
クロスに返球
相手の正面でないところに返します。ストレート返球では相手がいるので返す目標がわかりやすい。しかしクロスだとスペースに打つので初心者はやり始めは打ちづらいという声をよく聞く。
しかし、ストレートとクロス両方打てないと返球が単調になり相手に狙い撃ちされます。厳しく返せなくても大まかにストレート、クロスが打てれば相手の出だしを止めることができラリーで有利な展開に持っていけます。
ポイントは、自分の体の前でシャトルを捉えること。自分の横で打つと上手くクロスに打てないのでレシーブする時に少し後ろ目にポジショニングすることが大事。
ロングリターン
コート奥に返球することも大事。なぜならネット前以外にも返球コースがあると思わせるだけで、相手が最初の一歩が遅れてラリー展開が有利になるから。
ロングリターンするには、シャトルにラケットを当てるだけではダメ、大切なことは2つ。しっかりと打ち返しましょう。
踏み込んで体重移動を行う
相手のショットが左に来たら、左足を。右側なら右足を踏み込む。しっかりした踏み込みにより体重移動が行われ、体全体の勢いがシャトルに乗りコート奥まで飛ばすことができます。
体重移動のやり方>>>バドミントンで、体重移動ができないならこの練習
ラケットをしっかり振る
ネット前に返すだけなら、ラケットは振らなくてもよいがコート奥まで返すなら話は別。ポイントは肘を使うこと。肘を支点にしてしっかりとラケットを振りましょう。
肘の使い方>>>肘を支点
シングルスでレシーブするコツ
フワッと勢いを殺しながら山なりの打つのがコツ。ちょうどネットの上にきたらシャトルの勢いがなくなり、垂直に落ちるのが理想。相手のネットすれすれに返せれば最高ですね。
よくやる間違いはドライブのようなネットから浮かずに打つ鋭い球。ダブルスではネットから浮かないように強い球を返球すれば良いショットです。しかし、シングルスでは相手の格好の餌食になります
ショートサービスラインよりもかなり前を狙う。最低でもネットとショートサービスラインの真ん中。
そこに落ちると相手はネットに落とすか、ロブを上げるしかありません。つまり甘い球が返ってくるのでかなり有利な展開になる。相手が上級者でなければ、一発エースになることも多々あります。
やり方は、
- 足で打つ感覚
- ラケットの面を上向きに
足で打つ感覚
動画の1分12秒をご覧ください。桃田選手ではなく対戦相手のレシーブに注目。足をしっかりコートにつけて、曲げ伸ばしをしながら返球しています。この足で打っているような打ち方が、山なり返球になる秘訣です。
手打ちで打ってはコントロールが非常に難しい。足の曲げ伸ばしを意識してレシーブして下さい。
ラケットの面を上向きに
ラケットの面を地面に対して30度くらいで打ちます。もちろんラケット角度はシャトルを打つ位置でかわるので微調整が必要。
しかし、感覚的に言うと45度だと山なりになりません。シャトルの勢いが殺せずショートサービスラインまで球足が伸びてしまいます。ぜひやってみてください。
なぜなら野球のようにボールは伸びていくものだと思っていたから。
バドミントンのシャトルは野球のボールとは違い、勢いがなくなると垂直に近い状態でコート落ちてきます。例えば、クリアも強い球を高く打つと、最後にコートアウトせずギリギリに落ちてきます。
ここを理解し体感できれば、ギリギリを狙うことが可能だと思えるようになりますよ。
サイドのスマッシュレシーブのやり方
シングルスはサイドライン側に多くスマッシュが飛んできます。ダブルスだと手を伸ばせば届く球も、自分が足を出して移動しないと届きません。またサイドにきたスマッシュは取りづらく、触れたとしてもレシーブが狙い通り飛ばない。
だから、シングルスではサイドにスマッシュを多く狙います。サイドへのスマッシュレシーブの対処法を紹介します。
- 足を一歩出す
- ジャンプする
- 事前に移動
足を打たれた側に一歩だす
フォア側 2分43秒 バック側 3分24秒から見てください。
スマッシュをを打たれた方向、そのサイド側の足を一歩出します。サイドスマッシュがとれない理由はラケットが届いていないから。左側にシャトルが来た左足を出す。右なら右足を一歩出す。決して足を動かさずに腕を伸ばすだけで取ろうとしてはいけません。
足を動かさず、腕だけでラケットを伸ばしてもシャトルに届きません。仮に届いても、力の入らない打点で打たされるため、甘い球しか返球できない。
スマッシュを打たれた方向に、一歩足を出すことで力の入る打点でレシーブができます。
ジャンプする
相手が打つ瞬間にジャンプする。リアクションステップと呼ばれる動き方です。相手のショットにタイミングを合わせてほんの少しだけジャンプ。そうすると動きだしが速くなります。動き出しを速くしてサイドのスマッシュを取ります。
参考記事>>>リアクションステップ
このステップをやるとやらないのでは、動きだしが大違いです。ぜひ取り入れましょう。
事前に移動
相手がサイドに打ってくることが予想できたら先にサイド側に移動しておくことも有効です。左にくると思ったら、事前に一歩左側に寄っておきましょう。
それだけでサイドスマッシュが普通のスマッシュと変わらなくなります。