「絶対勝ちたい!」「あの相手には負けたくない!」と思えば思うほど、緊張してしまいますよね。試合前になると特にそうです。ネットニュースで数ヶ月前に元オリンピック選手の潮田玲子さんが「タカマツペア」にインタビューしてました。
※「タカマツペア」高橋礼華選手、松友美佐紀選手
タカマツペアに「(リオデジャネイロ五輪の)ふたりの試合を観ていたのですが、まったく緊張していない様子でした。緊張しなかったの?」と質問する。
高橋選手は「緊張はもちろんします」と笑い、当時の心境について「オリンピックで金メダルを獲ることを目標に『今までこれだけの練習をしてきたから大丈夫』と自分たちに言い聞かせて試合に望んでいました」と語った
素晴らしい答えだと思います。実際これだけ練習すれば緊張を克服できるのかもしれないですね。でも、プロでもない私がこの心境にはなれません。
批判してるのではないですよ。2人とも本当に素晴らしい選手です。しかし普通は初心者、初級者がこれだけの練習はできない。トップ選手のような真似は難しいです。
緊張をほぐすには
試合前は特に緊張してしまうものです。その原因の多くは「失敗をしてはいけない」と意識してしまうから。
また対戦相手を意識して「負けたくない」という気持ちも出てきます。そうすると余計に失敗したくないという悪循環に陥る・・・
練習では思いっきりプレーできるのに、試合だとできなくなり、いつも通りのプレーができずに、負けて悔しい思いをしたくないなら必見です。
試合前に緊張をほぐすには体を緩ますことが大事。体を動かすことで、緊張で固まっていた体が柔らかくなります。体が柔らかくなる筋肉が緩む。そうすると緊張が取れます。なぜなら脳と体はつながっているから。
- 深呼吸を行う
- 軽い運動を行う
この2つを行うことで緊張をほぐすことができます。
深呼吸を行う
深呼吸をするとリラックスできるので緊張がほぐれます。私たちは自分の意志とは関係なく「自律」して、体の各臓器をコントロールする交感神経と副交感神経を持っています。
- 交感神経・・・緊張モードの神経
- 副交感神経・・・リラックスモードの神経
試合前になると、気持ちが高まり興奮してきます。そうすると交感神経優位の状態。ある程度の高まりは良いが、高まりすぎると緊張になる。
そこで深呼吸をして副交感神経を優位にするのです。ゆっくり深呼吸することでリラックスでき緊張が減ってくることが実感できます。
具体的なやり方は、鼻から4秒間息を吸います。そして息を吐くときは8秒間かけてゆっくりと行う。それを5~10セット行う。回数は興奮度合いで変えてください。
気持ちの高まりがあるほど回数を増やします。コツは吐くとき口を小さくし、少しづつ息を吐き出す。口が大きく開いていると、3秒と持たずあっという間に吐き終えてしまいます。
軽い運動を行う
体を動かすと緊張がほぐれてきます。血流が良くなり気持ちも楽になります。そのための運動はジョギングです。ゆっくり5~10分走りましょう。少しの緊張なら走ることで和らぎます。
さらに良いのはジョギングしながらスキップを取り入れる。「スキップなんて恥ずかしいことはできないよ」と言われそうですが、それがいいのです。恥ずかしいけど割り切ってスキップをやり切ることで、心が開き直ります。
スキップは、子どもの頃の楽しい記憶を思い出させます。スキップをすると脳は「今楽しいのだ」と認識する。楽しくなると自然に体に良い影響を与え、緊張がほぐれます。
それでも緊張がまだ残っている人は、寝ながら体を動かしていきましょう。リラックスしながら体を動かすとさらに筋肉が緩みます。
動画の56秒から見てください。リラックスしながら行うのがコツ。ガツガツと一生懸命やらない。ゆっくりと5~10分行うと副交感神経が優位になります。少し眠くなってきたな、と感じたら成功です。
緊張しない方法
緊張をしないようにするには、まったく別のことを考えましょう。でも、考えないようにしても、どんどん頭によぎってくると思います。なので不安がよぎる前に全然関係ないことを無理矢理に考えるのです。
- 体育館の天井を見る
- 自分のラケットのガットやグリップを見る
- 対戦相手に対し怒りをもつ
これらをすることで、緊張しなくなっていきます。
体育館の天井を見る
体育館の天井の汚れを探してみる。遠くにいる知り合いが何をしているのか見てみる。試合のことを考えずに20個汚れを探します。
応用編として私がよくやっているのは、相手選手がどれくらい緊張しているのか、まじまじ顔を眺めることです。相手が緊張してるのがわかったら、自分が精神的に有利だと思うことができます。
しかし相手の顔を見ることでビビってしまうなら、見るのをやめましょう。
自分のラケットのガットやグリップを見る
自分のラケットのガット、もしくはグリップを3秒みて、頭の中で見たガット、グリップを思い出してみる。ガットの切れかかっている部分、グリップの汚れている部分などをできるだけ思い出す。
試合とは関係ないことや、別のことを考えることで、不安なことを頭の中から追い出します。脳は一つのことしか考えられないと言う性質を利用するのです。
少し難しいですが、気分を変えるという方法もあります。脳は同時にいくつもの感情(気持ち)を持つことができません。不安になりながら怒れない。だから、試合中に緊張してきたら嫌いな人の顔を思い浮かべてみてください。不安はなくなります。
嬉しいこと、楽しいことを考えても良いのですが、怒る方が簡単です。これは人によるので、どんなな気持ちが思い出しやすいのか試してみましょう!ポイントは緊張を忘れられる感情(気持ち)を強く思う、そして実際に、俳優さんのようになりきることです。
緊張についての体験談
私自身、緊張しないで試合で勝ってもうれしさは半分になると感じています。結果がどうでもよいと思っている状態。
勝ちたい、負けたくないと思うから緊張するのであって、「試合なんてどうでもいいや」と思うと緊張しませんよ。でもそんな試合、勝っても面白くありません。
私の教えている学生は緊張をなくしたいと言っていますが、すべての緊張を取ってしまうのはおすすめできません。緊張はアドレナリンを分泌させ、集中力を高めて普段以上を力を発揮させてくれるから。
緊張とうまく付き合うのが肝心です。ここまでのやり方を続けるとだんだん気にならなくなってきますから。
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