バドミントンのスマッシュレシーブの守りのコツを知れば、相手への有効な攻撃に。この記事を読むことで、飛ばないレシーブが、きっちりコート奥まで飛ぶレシーブに進化します!
初級者が試合に勝つために重要なことは、一か八かの必殺ショットを持っているよりも、ラリーを長く続けられるレシーブ力をつけること。
レシーブができれば、相手が勝手にスマッシュをアウトにしたりネットに引っ掛けたりとミスをして得点できます。また甘い球が返ってきて攻撃力が弱くてもそれなりに得点を取ることができるから。
スマッシュレシーブができないと、どんなに攻撃力があってもカンタンに点を取られて試合には勝てません。またスマッシュレシーブが飛ばないと、相手はどんどん前に詰めてきて例え2、3球は返せても最後は「バチーン!!」とプッシュを決められてしまいます。
正しいやり方を順番に行えば、必ずスマッシュレシーブは上達します。筋力がない小学生でも大人のスマッシュを打ち返していますから。
バドミントンのスマッシュレシーブのコツを伝授
スマッシュレシーブのコツは3つ。
- 構え方
- 打点
- 肘の使い方
正しいコツができると、力いっぱいラケットを振らなくても、相手のスマッシュのスピードを利用して楽に返球することができます。
1、まずは構え方を覚える。
よくある初心者の構え方は棒立ちでスマッシュを待っている。守備範囲が狭くなるし、力の入らない振り方になってしまう。
2、レシーブの打点はどこか知っていますか?
「レシーブは前でとらえろ!」とよく書籍に書いてあります。
しかし、どのくらい前なのかよくわかりませんよね。私も初心者の頃、前と言われるけどどこなんだろう?と迷いました。まず正しいスマッシュレシーブの打点を身につけてください。
3、スマッシュレシーブは肘を使って打つ感覚をつかむ。間違っているのは、肩を使ったり、手首だけで打ち返そうとすること。
強靭な上級者は手首のみで打ち返すことが可能ですが、初心者は絶対マネしてはダメ。
まずは基本となるスマッシュレシーブを身につけましょう。それでは詳しく解説していきます。
スマッシュレシーブの構えをマスターする
正しいスマッシュレシーブの構えをすると、重心をきちんと取ることができる。膝を曲げず棒立ちで構える人を見かけますが、手打ちになり強い返球ができません。力の抜けたレシーブは相手のカウンターを食らいます。
- 膝を曲げ両足を肩幅より広く開く
- 前傾して重心を前にする
この2つのポイントを意識して構えます。そして「構え」と同じくらい大事な考え方を、2の説明後にお伝えします。
膝を曲げ両足を肩幅より広く開く
足は肩幅よりも広めにとりましょう。動画を見ると足を広げているのがわかります。ポイントは膝をしっかり曲げること。少し膝を外側に開きガニ股にする。ガニ股というと格好が悪いですが、より安定した姿勢になれます。
そしてフォア側の足を半歩ほど前にします(右利きなら右足、左利きなら左足)。そうすることにより前後に動きだしがスムーズにできますし、ラケットを力強く振りやすい体勢になります。
一番悪い構えは棒立ちになること。自分の足元にくるスマッシュが取れません。高い体勢から急に低い体勢になることで目線が安定せず、ミスの原因になります。
まずは自分の膝が曲がっていて、足がしっかり開いているかをチェックしましょう。私もスマッシュレシーブが調子悪いと、棒立ちになっていないかチェックします。知らず知らずに棒立ちになっていてシャトルが飛ばないのです。
一番は友達にビデオを撮ってもらうのが良い。自分の感覚と、実際の体勢とズレが一目瞭然でわかります。
前傾して重心を前にする
前傾して重心を前にすることで、速いスマッシュに力負けせず返球できます。相手が打つスマッシュは、すごい速度で自分の方に向かっくる。初心者はその速度にビビってしまい、体を後ろに引いてしまいます。
しかし、そこは我慢する。怖くて体重が後ろにあると、シャトルを打つときに力が逃げてしまい、スマッシュレシーブが飛びません。怖いのを我慢して体を少し前に倒し、重心を前に持ってきましょう。
私も初心者の頃、怖くて腰が引けていました。だんだんコートの後ろの方に下がるから余計相手のコート奥まで届かなくなりました。特にどんどんスマッシュを打ってくる人と試合をすると、自分で気づかないうちに体がうしろに引いてしまっているのです。
前傾するには、スキーの「ボーゲン」が参考になります。踵を少しだけ浮かせて、膝を軽く曲げます。そして少しだけ前に体重を乗せるようにしてみましょう。
それでもわからない方はこの動画を参照。他競技ですが参考になります。
動画の25~35秒を見てください。普通に立っているところから、かかとを少し浮かし前のめりになっている部分を確認してください。
相手がスマッシュを打つ前に早く構える
ここかなり重要です。相手が打つ前に構えないとスマッシュレシーブは取れません。スマッシュレシーブを苦手にしている多くの人がすぐ構えていない。とくに高いロブを上げたときなど、時間の余裕があるときにボサッと突っ立っています。
構えの準備を早くする。そうしないと「構える」「ラケットを振る」という2ステップを踏むことになるから。先に構えができていると「ラケットを振る」という1ステップで済むので相手の速いスマッシュにも対応することができます。
今度の練習で自分が早く構えているか意識しましょう。ぜひ取り組んでください。
正しい打点でシャトルを捉える
正しいレシーブの打点は、肘の角度で見てみると会得できる。肘の角度が150~160度で打つ。この位置が正しい場所です。
肘の角度が正しければ自動的に正しい位置にラケットが来ます。まずラケットを持ったまま、腕をまっすぐ伸ばしてください。小学校の時によくする「前へならえ」のようにピンと伸ばす。
そして、肘の力を少し抜くと、自然と150~160度くらいになります。そこが強く飛ぶレシーブの打点です。
「思ったより、前だなあ」と私も最初は思いました。しかし、シャトルの当たるインパクトの瞬間に「肘の角度」が、狭いと全然飛びません。
「肘の角度」が狭くて、打点が後ろの場所で打っている人を見かけます。そうするとシャトルを飛ばすのにすごく筋力が必要。球をとらえる効率的な場所とは言えません。
そして1枚目の写真で、ラケットの向きにも注目。少し上を向いていますね。この打点で打つと、自然に高く返球できるレシーブになります。
動画の5分14秒をご覧ください。肘が伸びきる寸前に打っています。横から見るとわかりやすい。思ったよりも打点は前になっていますよね。
正しい打点でスマッシュレシーブができると、そんなに力まずともカンタンにシャトルは飛んでくれます。
間違ったスマッシュレシーブの打点
肘を170~180度にまっすぐのばしてみました。明らかに前過ぎる打点。ここまで行くと、伸ばしすぎです。全然飛ばないし、シャトルの衝撃が直接に肘にきて、負担がかかりケガをします。
そして、ラケットの角度を見てください。上を向きすぎていて、コースをコントロールできません。
「前でレシーブをとらえる」という言葉にだまされて、腕を伸ばしすぎて、間違った打点にならないよう注意しましょう。
スマッシュレシーブは肘からコンパクトにスイングする
肘を使ってコンパクトにレシーブすると、シャトルは飛んでいきます。私の中の「コンパクト」とは、振りは小さいがスイングスピードは速い。そんなイメージを持ってください。
肘を使ってコンパクトに振り連続でレシーブができるようになりましょう。
初心者によくある間違いが肩が支点になってスイングしてしまう。振りが大きくなるので、スイングスピードが落ち、その結果全く飛ばないレシーブとなります。
まず、腕を前に出してください。この位置がスタートです。
次に肘は後に引かずに固定し、肘から先の前腕だけ引く。前腕を引くことで自然と肘は数センチ後ろに下がるのはしょうがない。でもできるだけ肘が下がらないように意識する。
肘を曲げる角度は90~100度くらい。あまり肘を曲げすぎると、ラケットの先端が体にくっつきます。そうなると、力が入らずスイングがしづらくなるのでご注意を。
次に肘を支点にラケットを振り出してください。これが、レシーブをコンパクトに打つということです。
「このやり方で遠くに飛びますか?」そんな質問をよく受けますが、十分に飛びます。例えば相手がスマッシュやプッシュを打ってきたとき、球に威力があります。その反動を利用するから勢いよくシャトルは飛びます。
レシーブをコンパクトにする練習方法
素振りが一番の練習です。毎日50回やってみてください。体にスイングを覚え込ませたいので、力いっぱいスイングするのではなく、軽い振りで回数を多くする。
腕の力を抜いて、肘を支点にムチのように振るとコツがつかめてきます。
試合に入る前に、10~20回素振りすると、さらに効果的です。「コンパクトにレシーブするぞ!」その気持ちを忘れないで試合に臨みます。
私も初心者の頃、よく言われました。経験者「レシーブをコンパクトに打ちなさい」「レシーブは大振りしたら、ダメですよ」私はその日ずっと練習しました。
しかし、振りを小さくすると全然飛ばない。特にスマッシュレシーブが全然飛びませんでした。
スマッシュレシーブをコート奥まで飛ばす方法
先日も初心者の生徒を指導していましたが、「一生懸命ラケットを振っているのに、スマッシュレシーブが全然飛びません」と質問があった。なぜ頑張っているのにシャトルが飛ばないのかと観察していると、
「握り方や構え」はできているのに、3つのことができていませんでした。コート奥までスマッシュレシーブを飛ばすには、
- 正面を向く
- リストスタンド
- 身体の前に空間をつくる
構え方やラケットの握り方を覚えて、細かなテクニックを身に着けていくと、レシーブは楽に飛ぶようになってきます。
相手の正面を向く(バックバウンダリーラインの正面でなく)
ダブルスで初心者がよくやってしまう間違え。相手がスマッシュを斜めから打ってくるときに、自分がコートに対して正面を向いているとスマッシュレシーブが飛びません。
なぜなら、シャトルをきちんとラケット面で捉えられないから。
例えば、自分が右側のコートにいたとします。その時相手が左コート奥からクロスにスマッシュを打ってくるときなどです。相手が斜めからスマッシュを打ってくるときは、相手に対してしっかり正面を向く。
相手の正面を向けてないのは初心者によくある間違いです。スマッシュレシーブする時に自分がきちんとできているか再確認してください。
スマッシュレシーブはリストスタンドしないと飛ばない
レシーブの威力を出すには、リストスタンドが必須です。まず動画を見てください
動画3分39秒から
初心者によくある間違いが、ラケットヘッドを起こさないで寝かせてしまう。
この手首の形だと、どんなに力がある人でも全然飛びません。間違った手首の使い方をすると上級者でも、正しいリストスタンドをした小学生に負けるくらいの違いがあります。
力いっぱいやる必要はないですが、ラケットヘッドが起きるようにリストスタンドをしてみましょう。
体の前に空間をつくるとレシーブは飛ぶ
肘は曲げずに、体にある空間でラケットを引きながら、しっかり振るようにする。赤マルのところにラケットを振るスペースを作ることでスイングスピードが上がり、コート奥までレシーブを飛ばすためのパワーを得ることができる。
この記事中のスマッシュレシーブは肘からコンパクトにスイングするでも説明したが、ラケットをテイクバックするときに肘もいっしょに後ろに下げないようにする。
肘を体にくっつけてからスイングしてしまうと、肘を支点にできなくなります。その結果、テイクバックが取れないため、スイングが弱くなり強いレシーブを返せません。
だから肘をくっつけてしまうと絶対にダメ。大きなデメリットが出るから。
肘をくっつけると、野球のバッターのように体をひねりながら体を使い、肩から振り出す打ち方になってしまう。体をひねることで、フォロースルーが大きくなりすぎて連続攻撃がきた時、必ず2球目が振り遅れます。
フォロースルーとは
球技などで、球を打つ・投げる・蹴るなどしたあとに、腕・足を最後まで振り切る動作
引用元:Goo辞典https://dictionary.goo.ne.jp/word/%E3%83%95%E3%82%A9%E3%83%AD%E3%83%BC%E3%82%B9%E3%83%AB%E3%83%BC/
初心者は強くスイングしようと肘を引きすぎます。肘を前に残さず、自分の体にくっついているときは「大振りしてしまっている」そう自覚してください。
スマッシュレシーブの握り方は超重要
スマッシュレシーブをマスターするうえで、グリップをどう握るのかはとても重要です。間違った握り方だとレシーブは全然飛びません。
「いや間違った打ち方でも、遠くまで飛ばしている人がいるよ」そう言う人も何人か出会いました。たしかに無茶苦茶な握り方でも、「身体全体を使う」「振りを大きくする」などで遠くに飛ばせます。
しかし、バトミントンはラリーの展開が速い競技です。スマッシュレシーブのコツのところでもお伝えした「コンパクトなスイング」ができないと、ドンドンと不利な試合展開になっていき、最後には相手の攻撃にやられてしまいます。
だから「コンパクトのスイング」をする必要があるのですが、握り方を間違えると「コンパクトなスイング」ができなくなる。
もう一つは、大振りばかりしていると「体力を使い果たしバテてしまいます」しね。そんな超重要なバックハンドの握り方や握る強さをこれから説明します。
- スマッシュレシーブのバックハンドの握り方の説明
- バックハンドの握りで待つ
- グリップを軽く握る
スマッシュレシーブのバックハンドの握り方
まずイースタングリップでもち、少しラケットを倒した状態から親指を立ててラケットを握ります。
稀に親指を立てないで握る人がいますが、必ず親指を立てましょう。親指でラケットグリップを押し出すように打つことでラケットスピードが上がり、レシーブがより飛んでくれます。
参考記事⇒バックハンドは親指で押すサムアップ
バックハンドの握りで待つ
バックハンドでスマッシュが来るのを待ちます。なぜならスマッシュのほとんどコースに対応できるから。その守備範囲は85~90%もカバーできます。前傾しながらバックハンドで構えてください。
フォアハンドで待つときは、相手が明らかに自分に対してフォア側に打ってくるとコースを読めたときのみです。
基本はバックハンドですが、あきらかに相手がフォア側に打ちそうなら、フォアハンドの握りで待つのもアリ。ただしバック側にスマッシュが来たらほぼ取れないので、フォアハンドで持つときは十分に注意しましょう。
初心者はフォアハンドを使いすぎてやられてしまうパターンが多いです。
スマッシュが肩口へ飛んで来た時の対処法
唯一とりづらいところはフォア側の肩のあたり(右利きなら右肩、左利きなら左肩)。つまり、ラケットを持っている肩の周辺。ここはどうしてもバックハンドでとりづらい。対応策は動画の1分13秒に注目。
もし肩口にスマッシュが飛んできたらバックハンドの握りのまま、体をひねり腕と肘を伸ばしてスマッシュを打ち返しましょう。
グリップを軽く握る
スマッシュレシーブをするときは、準備段階としてグリップを必ず軽く握ってください。グリップを強く握るのはラケットにシャトルが当たる瞬間だけ。
初心者は特にスマッシュレシーブは力一杯打って返そうと思ってしまいます。私も初心者時代、試合が終わったら前腕がパンパンに張り握力がなくなるほどグリップを握っていました。
グリップをきつく握るとラケットを振るスピード(スイングスピード)が落ちるので、コート奥までシャトルが飛ばなくなる。
軽く握るための参考記事⇒グリップの握りこみ
スマッシュは速いので、最初はどうしても「力一杯返してやる」と力いっぱいグリップを握って、大振りしてしまいます。
野球に例えると、「ホームランを打ってやる」と力一杯バットを振っているのと同じ。バドミントンのシャトルは軽いので、スマッシュが速いほど力一杯打たなくてもよい。少しの力で反発しカンタンに相手コートに返球できる。
大振りすると打点も後になり、スイングのスピードも遅くなり余計に飛ばなくなります。
体の前で打ち、タイミングさえ合えばたとえ上級者のスマッシュであっても楽にシャトルは返るので。
また野球に例えますが、「グリップを力一杯握る」はバンドをしてるのと同じと思ってください。
グリップを強く握っても、ラケットが動いていないのです。グリップを軽く握ったほうがラケットが振れます。ラケットを振った方がスマッシュレシーブは飛ぶのです。
最後に、この記事で書いてあることをいつもチェックしてください。もしスマッシュレシーブがうまくいかない、飛ばないなら、何か忘れているはずですよ。
コメント
参考になる情報満載の、とてもためになるサイト運営ありがとうございます。
私は左ききです。ですので、
「そして右足を半歩ほど前にします。」⇒「そしてフォア側の足を半歩ほど前にします。」
「唯一とりづらいところは右肩のあたり。」⇒「唯一とりづらいところはフォア側の肩のあたり。」
と書いていただけるとうれしいな、と思いました。
人類の1割程度しかいないマイノリティのためにそんな面倒くさいことしたくない!と思われましたら無視してください。
貴重なご意見ありがとうございます。左利きの知り合いに話をしたところ、「たしかにそうだ」と言っていました。修正しますね。ありがとうございます!